寅見屋さんの戸袋

 

 

吉舎町の七日市通にある「寅見屋(呉服屋)」さんの建物が今年3月についに解体されました。

吉舎町のシンボル的な建物が、昨年の「啓文館(書店)」さんに次いでの解体です。

どちらも吉舎町の本通りと称された七日市通りにありましたが、残念なことに、もはや情緒あるレトロな町並みとは言えない通りになってしまいました。

 特にこの寅見屋さんには、写真のような粋を凝らした見事な細工の戸袋があり、戸袋にすらこれほどの粋を凝らした店の繁栄ぶりが偲ばれ、またこの町が如何に栄えていたかを物語る歴史的文化遺産だとおもっていました。

 寅見屋さん解体のニュースを聞いて、この戸袋だけは何とか吉舎町の宝として吉舎町の資料館に保存して貰えないかといろいろ働きかけをしましたが、時間的な余裕もなく不可能とのことを取り壊される寸前に知り、土壇場で急遽交渉の末、私がとりあえず貰い受けしました。

そのような経過で、現在はわが燮々庵の庭に粗末な屋根などで囲み仮置きしています。

なんとか各方面に働きかけをして、吉舎町みんなの財産として残す道を考えたいと思っているところです。

 

<下記のように燮々庵の庭に仮置き保管しました>

 

 
 建物解体時に下記の棟札が天井裏から見つかりました。
解体を請け負われた業者の社長さんも「これまで数百件解体したが、これ程のものは初めてだ」とのことです。
書き込まれた大工さんたちの人数だけみても、この建物建築が如何にたいそうなものであったかが覗えます。

(棟札の裏面)

 

 

 

昨年(平成29年夏)取り壊された「啓文館」

解体直前の「啓文館」    近所の人達と最後の写真
   
2018年03月15日